“とにかく仕組み化”について考える【書籍レビュー】

お久しぶりです。

デザインチームのリーダーから、気が付いたら執行役員になっていました。きょうPです

今年はプライベートも仕事も、人生転換点を迎えて、この先どうなるか不安もありワクワクもしている不思議な感覚の時間を過ごしています。

早速ですが、今回の本題である「とにかく仕組み化」は、atSTRIXの管理人である”櫻井さん”からおススメされて読むきっかけとなった本の題名になります。

先にこの本を読んでみての結論になりますが、めちゃくちゃ読んでいて面白かったですw(誇張していません)

日頃、本を読む習慣が無かったのでので最初に本を受け取った際に、「読み切れなかったらどうしよう。。」という不安もありつつ、読めば読むほど味が出るような自然とページをめくって続きが気になるような感覚にさせてくれる内容だったので、久しぶりに本一冊まるっと読破出来ちゃいました。

そんなこんなで、「とにかく仕組み化」を一通り読み終えて、自分なりに考えをまとめてみた事と、執行役員になって一発目のatSTRIXでもあるので、今回はリーダー職以上の方に向けた有益な情報を発信できればと思います📣

※今までデザインの技術的な題材やノウハウなどを題材にしてきましたが、今回はガラッとイメージを変えて、会社組織のあり方など語る、ウルトラ真面目な回にしたいと思いますので、よろしくお願いします。

組織とは

そもそも、この本の「仕組み化」とは何か?の部分になりますが、端的に表すとするなら、しっかりと「会社の指標・軸を定めましょう!」という事なのかなと、この本を読んで感じました。

前提として、組織である以上、仲間である社員と協力しながら、何か目的を持って行動することになるので、例えば、1人が優秀で周りよりも頭一つ抜けた存在が、カリスマ性を持って組織を一時的に牽引したとしても、その人が居なくなると組織は今まで通りパフォーマンスを発揮できるのかどうか?

大抵の場合、現状維持も難しく右肩下がりになっていきます。それは組織としてどうなの?と周囲から指摘されてしまうような危険な状態だと、誰でも理解できると思います。

逆に、優秀な人材が居なくなったとしても、会社として上手く回り続ける組織とは何か?という点で、本書で常に語られている「仕組み化」の重要性に気が付くきっかけになりました。

仕組み化を取り入れる事の主なメリットは、組織基盤を安定せる事だと思いますが、安定させるとは具体的に何か?について、詳しくは次のセクションでお話できればと思います。

※気になる方「仕組み化がもたらすメリットと役割」へ先に移動してもらっても大丈夫です。

自分もこの本を読んだだけで、あまり偉そうな事が言える立場でも無いですし、まだまだ勉強不足な部分もありますが、今こうしてストリクスの執行役員になって約3カ月が経ち、今までの自分と比較して大きく自分なりに変化したと感じるポイントがあります。

それは、物事を見る視点・景色の変化になります。

※去年まで見ていた景色が富士山の3合目だとすると、今は5合目付近ですかね。

昔は、会社に対して不満や、どうしてこんな方法で会社が回ってるの?とただ愚痴をつぶやいて完結する、一方通行型の狭い視野で組織を見ていたような感覚でしたが、

責任も変わり求められるものが変わり、視点が変わることで、「自分が何をすべきか?」が明確になった時、新しく考えるようになった事は、「どうしたらチーム・組織・会社が上手く回るようになるのか?」という「解決案」を模索する思考かなと感じています。

最初から森の中を突き進んでゴールを目指すよりも、頂からまずは景色を見渡して目的地を目指した方が正しくゴールに辿り着く様に、個別の問題に対処するのではなく、全体を見渡すことで初めて複雑に絡み合った根本原因を見つける視点の様なイメージだと考えています。

だからこそ、組織が上手く機能していない大きな問題を抱えている時に、個別のメンバーや人物などの「点」に対して目を向けるのではなく、会社という全体の「面」に変化を与えるために「仕組み化」が必要なんだと、その重要性に共感することが出来ました。

ただし、仕組み化といっても勘違いされないようにしておきたいのが、規則などの堅苦しい、自分達の行動を制限・縛るマイナス要素としてではなく、仲間やチームとしてお互いに理解し協力し合える、より強固な組織形態を作るための1つの指標・軸を設けましょう。ということです。

正しい理解を持って「仕組み化」を取り入れていくことが、今後STRIX全体や経営陣に求められる1つの課題になってくると思います。

話が長くなっちゃいましたが、組織とは複数の人が集まって生まれた1つの人格や意識とでもいうのでしょうか?

※例えがよいかわかりませんが、ボルボックスみたいな感じ?w

哲学っぽい感じになってしまいましたが、組織というのは1人のキャラクターとして捉えてみるとイメージしやすいかもしれません。

会社という“キャラクター”の存在の中に、「仕組み」というのは、物事を正しく判断するための「指標・軸」=「組織全体の意思」のようなニュアンスになるのかな思います。

仕組み化がもたらすメリットと役割

仕組みが無い組織の特徴

仕組みが存在しない、会社を正しく機能させる「指標・軸」が存在しないとなるとどういったデメリットを生じさせてしまうのか?

例えば、会社で大きな重大インシデントが発生してしまいました。

この時にまずは上司にまず報告するというフローを通じて、問題の把握と適切な対処を行う為に、基礎的な「報・連・相」や組織内での連携を行う事が重要だと一般的に見て考える事ができます。

ただ、組織として仕組みが曖昧で明文化されていないとするとどうなるか?

冷静な判断を現場で下すことが出来ず、インシデントに対して不適切な対応を取ってしまうケースや、最悪の場合、隠ぺいしてしまうなど、組織としての判断軸が無い場合、個人としての判断に任せて問題に対処してしまう、そういった危険性と隣り合わせな状況で会社を運営し続ける事に繋がってしまいます。

裏を返せば、組織内の仕組みをしっかりと明文化し社内に浸透すれば、現場で働く社員も安心して会社の判断軸に沿って業務を進められる心理的安全性と、問題への対処フローに沿った社会的信頼性を補う事ができる。

そういった意味では如何に「仕組み」が重要な存在であるか理解できると思います。

責任の明文化

現場で働く部下の視点に立って一度立ち返ってみましょう。

明確な理由もなく、本来自分の業務に関係の無い仕事まで追加で上司から依頼されてしまった。という状況をどのように捉えることができるか?

部下の立場からすると、「なんでこんな仕事やらなきゃいけないんだよ!」と憤りを感じつつ、上司の立場からすると、「他に仕事をお願いできる人が居ないから」、「昔は俺も同じような経験を積んできてこの会社で働いているから」

と食い違いが発生し、社内の人間関係の縺れ・対立、会社へ不信感を生み続ける状況を作り出してしまいます。

では、こうした時に「仕組み化」を取り入れるメリットとはなんでしょうか?

それは、責任範囲を予め明文化し、互いの立場・関係をはっきりとさせることで、不平不満を是正していくという点でしょう。

業種や役職に応じて、求められる仕事の内容やアウトプットが異なるように、「ここからここまでの範囲はあなたの責任でお願いします。ここから先は私が担当します。」と線引きし、それぞれの任務を遂行する事が本来あるべき組織の形だと考えられます。

お互いの責任に対して納得し行動することで、自発的に行動しやすく裁量が明確なので、コミュニケーションも素早く楽になるといったメリットもあります。

仮に1人で対処できない場合は、責任範囲を改めて再定義し見直す場面もある思うので、その時には、仕組みを絶対的な存在として考えるのではなく、臨機応変に変化させる柔軟性を持たせることも重要だと思います。

評価制度と平等について

評価制度は何故存在するのか?

優秀な人にとっては評価されるために行動するための1つの指標であり、達成することに意欲を持ちながら行動できるツールのような存在かもしれません。

仕事を上手く進められない、そうでない人にとっての評価とは「面倒・苦しい・怖い」というような、ストレスの原因的な存在になっているかもしれません。

では、評価制度とは誰のためのものなのか、について考えた場合、優秀な人をより成長させて育てるため。という訳でもなく、仕事ができない人へプレッシャーを与えるため。という訳でもない。

つまるところ、”誰”のものでも無く“組織全体”のものというのが正解でしょう。

組織や会社の中に存在する評価とは、社員同士の中立性を保つために明文化された、最も平等に審査・比較するための「仕組み」だと、この本を読んで学ぶ事ができました。

人間である以上、性格や感情・考え方など様々な属性のタイプに分かれているので、人間関係に偏りが生まれてしまいますが、そうした中で人によって評価に影響を及ぼす場合もあるかもしれません。

上司と部下の関係に情が生まれてしまう。チーム全体よりも自分の出世や利益だけを追い求める利己的に走る人もいるかもしれません。

そうした行動は、組織全体で見た時に悪影響やバランスを崩す原因となったり、評価を下す立場の人からだと可視化しずらい問題にもなりえるのかなと思います。

こうした意味でも、正しく明文化している組織の評価制度というのは、評価する側の立場の人間にとって、本来組織として誰が会社に利益をもたらし貢献しているのか、立ち返って見つめ直すことができる存在なのかなと思います。

属人化の恐ろしさ

誰か”に依存した組織体制”はとても脆弱です。

もしその”誰か”が退職したり、休職したり、会社から居なくなった事を考えてみてください。
考えうるリスク全て組織全体に降り注ぐ事になります。

では何故、属人化が生まれてしまうのか?
そうした疑問は「仕組み化」で全て単純明白に解決する事ができます。

1️⃣ 業務マニュアルや手順書を作成して、業務のプロセスや方法を明確化し共有する。
2️⃣
組織内での情報共有を促進し、知識やノウハウを共有することで、他の従業員が同じ業務を担当する場合にも円滑に業務を継続できる。
3️⃣ 従業員の教育やトレーニングプログラムを実施して、スキルや知識を継続的に向上させることで、個人の依存を減らし、他の従業員も同様の業務を遂行する。
4️⃣ 定期的な業務の見直しや評価を行い、業務の最適化を図ることで、会社全体の効率性を向上させる。

当たり前のように感じるこうしたステップですが、個人で考える事ができても組織全体でやろうとすると何故か出来なくなってしまいます。

仕組み化の本質でもありますが、「誰かが、ルールを定める、ガイドラインを作る、マニュアル化する」

誰かがやらないといけない組織を運営する上で重要な課題を後回しにしている、目の前の仕事にだけ集中して足元を見ないようにしている、こうした当たり前の事が出来なくなってしまっている事が、現代社会に蔓延る可視化されていない身近な問題だと感じました。

理念と仕組み化

世の中の企業には何故「会社理念・MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)」があるのか、考えたことはありますか?

格好いい会社だと見られたい為?社会のために貢献しています!とポジショントークするためのもの?
多くの人は、そのように見えてしまうかもしれません。

ただ本質はもっと奥が深く考えれば考える程、理念の役割というのは、会社の根幹部分であり重要な存在だと感じました。

そして、理念とはこれまで説明してきた「仕組み化」と、とても密接な関係であると思います。

例えば、ストリクスの強みとしているUI/UXの領域であれば、同じような競合他社は数多く存在していると思いますが、弊社の理念である「わくわくをとどける」というのを掲げている他の企業は存在しているでしょうか?

普通のUI・UXの会社から、「面白い・楽しそうな事を仕事にしている会社なのかな?」と個性が生まれるような感覚になりませんか?

つまり、理念やMVVなどの役割とは、「”個性”を生み出す”考え・行動・価値観”」を明文化した、一種の「仕組み化」なのかなと考えています。

目標も大義名分も無い組織だと、中身が空っぽで無味無臭で空気のような存在ですが、そこに理念が加わり”個性”が生まれると、キャラクターとしての魅力的な組織へと生まれ変わるようなイメージです。

そして、「個性を生み出す考え・行動・価値観」を組織全体に浸透させることで、一体感を生み出すことができる最も重要で強力な存在であり、理念やMVVを掲げることは、組織の士気を高め目標を見失わないための仕組み化であると感じました。

また、理念という大きな仕組みの中に、個別で組織を正しく機能させるための小さな仕組みが存在するのが良いと考えています。

金融やゼネコンといった、信頼・安心を売りにした会社に、しっかりとしたレギュレーション、ウォーターフォール型の仕組みを取り入れるのは自然な気がしますが、STRIXのような中小企業で方向性も全く異なる会社に、同じような仕組みを取り入れる事が正しいことなのでしょうか?

必ずしも何でもかんでも「仕組み化」すれば成功するというものでは無いと思います。

理念の本質を理解し、会社の個性にマッチした「仕組み化」を取り入れる事で、最大の効果を生み出し、組織をあるべき姿に成長させてくれる存在になると考えています。

まとめ

正直、本を読む進めていきながら、どれも全て弊社に取り入れていきたい内容ばかりで、最後まで読み切った時に「こうすれば絶対会社が良くなる」というビジョンが沢山頭の中から湧いてくる、本当にこのタイミングで読んで良かったと感じる本でした。

今のストリクスが抱えている課題や問題に対して、仕組み化の考えを「こういう風にアレンジして組み込めば解決できるのでは?」と具体的な対策が既に2~3個ほどアイデアが生まれてきています。

こうしたきっかけが無いと、なかなか本を読むことも無いのですが、今後は仕事に役立つそれこそデザイン関係の本や、現在自ら主導で進めている弊社のリブランディングに関する本など自分が置かれている状況や心に響く本など、順番に読み進めて行ってみたいなと考えています。

では、またの機会に🙋‍♂‍

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