虹色は7色じゃない!?「色」に着目!海外向けのWebデザイン

こんにちは。ワーママデザイナーのYUKIです。

先日仕事で、とある国で使われるサービスのデザインを担当することになりました。
テレワークの為、毎週自宅より地球の反対側の人々と打ち合わせをしつつ仕事を進めております。すごい時代になったなぁ~。。。と改めて実感。

海外で使われるサービスですので、当然いつもの日本向けの感覚で作成してしまっては失敗してしまいます。現地の人々に受け入れられるように、いかにローカライズしていくかが重要になってきます。

  • 最も普及しているデバイスは何なのか?
  • 回線速度に適したUI/UXは?
  • その国で主に使われている言語で、読みやすいマージンやジャンプ率

などなど…考慮しなければならないことが様々あります。

その中から、に着目してみようと思います。
はコンテンツの内容を理解するより先に、まず目に入ってくるものなので、デザインを作成するにあたり、最も注意しなければならないことの一つだと感じています。
もし可愛らしいパステルピンクのwebサイトの内容が、男性用の筋力トレーニングに関するものだったとしたら、なんともいえないチグハグな印象を受けてしまうのではないでしょうか。
サービスの使われる国の色事情を知らずに、そんなデザインをしてしまったら大変です。

国によって虹の色の数が違う

8色  赤・橙・黄・黄緑・緑・青・藍・紫アフリカ(アル部族)
7色  赤・橙・黄・緑・青・藍・紫日本・オランダ
6色  赤・橙・黄・緑・青・紫
イギリス・アメリカ
5色   赤・黄・緑・青・紫ロシア
4色   赤・黄・緑・青インドネシア(フローレス島)
3色  赤・黄・紫台湾(ブヌン族)
2色  赤・黒アフリカ(バサ語族)

虹の色数が国によって、こんなにも違うとは驚きですね。ただ実際の虹の色数が本当に違う訳ではありません。虹の色はグラデーションでゆるやかに変化するため境界がはっきりしていないので、どこで区切って色をとらえるかや、その色を表現する言葉の有無でも色数が変わってくるのです。

参考
http://suwa3.web.fc2.com/enkan/zatu/18.html
https://opticaltale.blogspot.com/2020/07/blog-post_13.html

太陽の光による見え方の違い

色は、当たる光によって違って見えます。
家の照明でも、
・オレンジっぽく温かみのある光の色の電球色
・白っぽく青みがった最も明るい色の昼光色
とでは、部屋の見え方が大きく変わってくるかと思います。

地球上でも、赤道付近とそうでない地域とでは光の見えかたに違いがあります。

太陽から近い赤道付近ほど太陽光が通る大気層の距離が短いため、鮮やかで強く・色みは赤く感じられます。
逆に赤道から遠くなるほど、太陽光の通る大気層の距離が長くなり、青みを帯びて感じられます。

目の色による見え方の違い

瞳の色はメラニン色素の量によって決まります。
メラニン色素の量が多いと瞳は黒っぽくなり、少ないと青色や緑色になります。
メラニン色素は、太陽光線に含まれる有害な紫外線から私たちの肌や目を守ってくれています。

メラニン色素が薄い目の人は、光を眩しく感じるといわれており、その為に国によって電気の明るさが違かったりします。欧米人の多くの方がサングラスを着用するのは、ファッションというよりは日差しの眩しさを和らげるためだそうです。

今回の仕事は暖かい赤道付近の国でのサービスです。現地の方に色のコントラストを付けることが大事とアドバイスを頂いたのは、もしかしたらこの目の色の見え方の違いに起因するのかもしれません。

国による色に対するイメージの違い

それぞれの色を見て感じるイメージも、国や地域によって様々です。
手っ取り早く海外の色事情を知るために、STRIXの仲間であり中国出身のデザイナーAKIちゃんに、インタビューしてみました。

■中国における色のイメージ

高貴・吉祥・幸運・平安・結婚式で着る服の色・「春節」の色
警戒・性的表現
安全・浮気 ・郵便局の色
伝統や文化の中に特に意味はない。あまり使わない。
ピンク恋愛
葬式・金属(殺し合い)
正義・勇敢(←伝統的な意味合い)
恐怖・不法(←現在はこのような意味合いも含まれる)

「ピンク」に恋愛の意味があるなどは日本と同じですが、「緑」に浮気の意味があるとは驚きました。ある逸話(※諸説あり)から「緑の帽子をかぶる」は「浮気された」という意味を持つようになったそうです。
「黒」には正義や勇敢という意味もあるのですね。「英雄 〜HERO〜」という映画で主役のジェット・リーの衣装が黒だったことに合点がいきました。
また、中国ではポストの色は「緑」で、「黄色」には性的表現の意味があるそうです。
日本で一般的に好まれる「青」は、中国では不人気の様です。
同じアジアの国でも全く違いますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
このように、国によって色に対するイメージや嗜好は様々です。
ネットで調べられる部分もありますが、グローバルな世界になった現在、色に対するイメージも刻々と変化しているようです。
現地の人にお話しを伺うことが可能であれば一番安心です。今回の仕事でも「オレンジ」は政治的な意味合いを持つので使用を避けた方が良いなんてアドバイスもいただきました。

「光の違いによる見えかた」「身体的違いによる見え方の差」「文化によるイメージの違い」色って本当に奥が深いですね。
仕事柄もともと色には興味があるほうでしたが、更に色に対する関心が深まりました。
今後、海外向けのデザインをする機会もより増えていくことでしょう。より色に関する知識を深めて、役立てていきたいと思います。